SPECIAL

用語集

プロデューサー(デューサー)
PCゲーム制作における全実権を持つ人間の事。
大抵の場合、制作やクオリティ部分での実権はディレクターに任せ、製作費や製造費の管理や営業広報、販路の確保といった利益に関わる部分をプロデューサーが任されることが多い。
PCゲーム業界においては、同じ人間がやることが多く、大変負担の大きな仕事となる。
現場を経験し、色々な立場の人と話し、情報と知識を貪欲に大量に蓄えた上、予算を集める集金能力、市場に通用する広報営業戦略、味方してくれる人間へのコネクション……と経営者に近いレベルの能力が求められる仕事でもある。
技能職とは異なる能力であるうえ、最初からその場所を目指しているという人間が非常に少ないため、払われる報酬は少なくない。
ただし、ちゃんと売れた場合には続けられるが、売れなかった場合には仕事そのものが減っていくため、リスクも高い。
シナリオライター(ライター)
PCゲームの脚本を書く人の事。
企画者が兼任することもあるし、ディレクターが兼任することも多い。
一人で一本書く人もいるし、何人かで別々のシーンを書いたりする場合もある。
最近のPCゲームで求められるシナリオ容量はかなり大きくなってきているため、一人で全ルートを描ききるのが困難となりつつあるが、シナリオライターとしては一人で最初から最後まで書きたいという意見を持つ人も少なくない。
ゲームのシナリオライターを目指す場合、単純に会社に持ち込んでみて面白いものを書くなと判断されたらその日からシナリオライターになってしまう場合もある。
ゲームシナリオはキロバイトという単位で計算されることが多い。
シナリオライターの実績や速度によって様々で、キロバイト単価としては「500~2000円」程度で仕事をしている人が多い。
1キロバイトは約500文字程度となるため、1文字書いて1円の人もいれば、4円になる人もいる。
シナリオライター(ライター)
原画家(ゲンガー)
PCゲーム制作におけるイラスト原画担当の人間の事。
美術系の学校や専門学校などで基礎のデッサンから勉強してその能力で会社に応募して入ってくるものもいるが、イラスト投稿サイトや自分のHPなどでイラストを公開して、それが評価されることで会社の目にとまることもある。
大抵の場合は自分から応募したり小さめの仕事をこなすなどして、自作の絵を売り込むところからスタートする。
会社に所属していればいいが、家で仕事をするスタイルを好む人間も多く、その場合にはスケジュールと予算をしっかり管理しなければならないため、高い集中力と強い意志が必要となる。
原画作業は次の工程として彩色というステップが存在するため、彩色の人間が作業しやすいように最初の段階で綿密な打ち合わせをしておくことが重要となる。
また、原画は枚数単価での仕事になることが多いため、ある程度コントロールして作業量と利益のバランスを上手にとることが重要。
作業した分だけ報酬が入るため、手が早い原画家は大きな収益を得ることが可能。
原画家(ゲンガー)
グラフィッカー(フィッカー)
PCゲーム制作におけるイラスト彩色担当の人間の事。
CGを駆使して、原画家が作成した線画を彩色していくのが主な仕事。
多くの専門学校にはCGコースというものが存在し、そこで専門知識を必要とするペインティングソフトの基礎を学ぶことが可能な為、仕事の入り口には立ちやすい。
ツールを使いこなす技術力と同時に、その絵において原画家が表現したいものや、3D空間としてとらえての発想力も必要となる。
メーカーの彩色バイトなどに入り、腕が認められて社員になっていくという形や、決められたお題へのアプローチ方法を判定されて社員になるというケースが多い。
また、原画家の中にはグラフィックのチーフを兼任している場合も少なくないが、その場合には原画作業と並行して作業が発生してしまうため、体力や気力、集中力が必要となる。
社内にいる場合はリテイクを重ねながら作業を進めていく事も可能だが、外注の場合、多くは単価仕事となるため、リテイクは大きな敵となる可能性が高い。
グラフィッカー(フィッカー)
ボイスアクター(アクター)
アニメのキャラクターボイス、洋画の吹き替え、CMやテレビのナレーション、そしてゲームのキャラクターボイスとして声で出演する人間の事。
いわゆる声優さん。
イベントの出演や、歌唱など、幅広い活動が求められる場合も多い。
アニメやゲームでは、脚本にあわせて声で演技をする。
声がつくと、キャラクターの存在感がグッと出るため、多くのユーザーがボイス有りを喜ぶ傾向にある。
志望者は、専門学校などに入りそこでオーディションを経て、声優専門のプロダクションに所属するケースが多い。
多くの若者が憧れる職業のひとつだが、その分競争率も高い。
プログラマー
PCゲーム制作におけるプログラム担当の人間の事。
プログラミング技術を駆使して、ゲームのエンジンを取り扱うのが主な業務となる。
エンジンとは、ゲームで必要なグラフィックやサウンドなどを処理するためのゲーム用プログラムの集合体だが、ADVゲームにおいては、複雑な処理やマシンパワーとのせめぎ合いでなく、高機能な2D描画機能とバグの少なさが重要視される。
また、複数人数で開発することも多くなってきているため、プログラミング技術に加えて、コミュニケーション能力や管理能力を求められることも多くなってきている。
スクリプト作業の時やデバッグ作業の時に問題が出ることが多い為、その期間には大抵のプログラマーはピリピリとした緊張感をまとっている。
プログラム作業が出来る絶対数が少ない為、給料は安定する。
腕に自身があるプログラマーはかけもちで複数の大きなプロジェクトのプログラム作業に関わることも出来るため、相当な利益を出すことも可能となる。
スクリプター(リプター)
PCゲーム制作におけるスクリプト担当の人間の事。 ゲームエンジンで使用できるスクリプト言語を駆使して、ユーザーを楽しませるためあの手この手でシナリオを彩る為の作業を重ねていく仕事を行う。
作品の意図をくみ取ったうえで、方向性を明確にしていき、その方向性にそって細かい素材を作成したり集めたりする創造性と技術力の両立が求められる。演出家。
グラフィック、サウンド、テキストといった個別の素材を全て把握して、問題ない形でゲームとしてまとめ上げる作業となるため、ゲーム制作後半においての作業は非常に多くなり、しかも多岐にわたる。
ゲームを完成させるうえで非常に重要な存在でありながら、素材がそろうまでは実はそれほどやることがない為、高給取りになりにくい立場。
ディレクション
ゲーム自体の内容についての全責任をおって作品を完成させていく役割の人間。
乱暴に言ってしまえば、購入してくれたユーザーをどれだけ満足させられるかというところに全力を傾ける存在。いわゆる監督。
進行管理の能力とクオリティ管理の能力が同時に求められる非常に難しい役職。
作品のクオリティを求めるあまりスタッフとの関係が良好でなくなったり、スタッフとの関係は非常に良いが予算感や進行管理が全然出来なかったりすると作品全体の質が落ちて結果として良い作品にならなかったりするため、実は非常に高いレベルのバランス感覚が求められる職業。
誰でもなれる仕事ではないだけあって、高めの収入を得る事が可能。
デモムービー
ゲームを端的に紹介するための短い動画。
ゲームに使われる素材などを使用してBGMに合わせて立ち絵やイベント絵を切り替えて表示することが多かったが、昨今は動画を見て判断されることも多い為、各社気合をいれてアニメなどを制作したりする。
ゲーム中に流れるOPとは異なる場合も多いが、アニメなどを作ってしまった場合予算の都合上デモムービーとOPが同じものになることもある。
店頭で見て良さそうと思わせることが主目的であり、予約に繋げるための重要な一手である
プロット
シナリオを執筆する際に必要となるネタとアイディアの塊。
ライターがシナリオを執筆する際にはこれを元に作っていくもの。
ストーリーの大筋を決めたら、それに合わせてメインプロットを配置し、さらにサブプロットを配置し……という感じでその場面で起こりうることを箇条書きにしてストーリーラインに沿って配置されたものであることが多い。
とはいえ、プロットを全て書きだして行くと膨大な時間がかかってしまうため、大枠のプロットを作成した段階で執筆を開始してしまう事も多い。
プロット
ユーザー
販売されたソフトの購入者の事。
フルプライス
8,800円(税別)以上で発売されるPCソフトの事。
この価格に関しては、PC-8801の時に出たPCゲームの一つがこの金額で、以来ずっと同じ金額とも、MS-DOSの発売当時の金額に合わせた金額とも言われているが、明確な答えはよくわかっていない。
フルプライスで販売できる場合、販売時に入ってくる金額が大きいため、潤沢な店舗特典や予約特典などをつけることが可能。
その代わりに大規模な素材数が求められる傾向にあり、イベント絵は80枚以上、シナリオは下手をすると数メガという大量の素材が必要となる。
ロープライス
2,800円(税別)以下で発売されるPCソフトの事。
フルプライス製品ではできないワンアイディア勝負のような作品や、キャラ数を絞り込んで遊ばせるようなタイトルが多い。
とはいえ、販売時に入る金額がそれほど多くないため、店舗特典や予約特典としてつけられるものは非常に限られてくる。
純粋にゲームを楽しみにさせるような内容でないと戦いにくい。
8,800円以上がフルプライス、2,800円以下がロープライス、という区分けだけではなく、6,800~3,800円くらいの価格帯をミドルプライスという言い方をすることもある。
当然素材規模などもフルプライスより少なく、ロープライスより多い程度。
パッケージ
店頭や配送で、実際に手に取れる箱入りのPCゲーム。
最近は便利かついつでも購入可能なDL販売も増えてきているが、PCゲームを購入したという醍醐味が欲しいユーザーはパッケージ版を買ってくれることが多い。
しっかりした箱の中にゲームや特典物が一緒に入っているものが多く、ずっしりとした満足感のあるものが好まれるが、かと言って箱の大きさが一抱えもあるようなサイズになってしまうと賛否が別れてしまううえに、在庫を店舗に物理的に置いておかなければならない小売店にも頭を抱えられてしまう事もある。
パッケージ
ブランド名
メーカー会社が設定できる、作品発売元の表記名のこと。
ゲームの内容や制作スタッフなどによって作品内容ごとに発売元を設定し、ユーザーが購入時に迷いにくくなるという効果が望める。
ゲームの場合はクリエイターやブランドにファンがつくことが多く、会社にファンがつくということはあまりない。ブランド名が非常に有名であってもそのブランドを持っている会社の名前は知らないということも多い。
ラフ画
「立ち絵」や「イベント絵」「背景」「各種特典物」「広報販促素材」といったイラストの、構図確認を行うために作成されるもの。
キャラは何体か。どんなポーズをとっているのか。どれだけ服をはだけているのか。といった非常にみんなが気になるところを明確にしていくため、非常に大切な工程。
この段階ではリテイクをしてもそれほど問題にならないことが多いが、この段階で問題なしと判断されたのに、仕上がってきたものがイメージがぜんぜん違う! という話などになった場合、大きな問題となることが多い。
ラフ画
背景(素材)
アドベンチャーゲームにおける、キャラクターの後ろに表示されている背景イラストの事。 一枚の絵が表示されているだけのものなので、いわゆる書き割である。 最近は3Dになっているものや、空や雲、地面や建物が、パーツ分けしてあり、少しずつずらすことで動きを表現できるものも存在する。
背景(素材)